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報告:2018年度-APAIE2019マレーシア大会参加- 亜細亜大学 奈良田氏

報告:2018年度-APAIE2019マレーシア大会参加- 亜細亜大学 奈良田氏

1.参加の目的

大会会場入り口

今回、「2018年度海外教育フェア等参加奨励費」をいただき、マレーシア・クアラルンプールで行われたAPAIE 2019に参加させていただくことができた。
私が所属する国際交流センター国際交流課では、短期から中長期を含め毎年在学生の約10%にあたる約600名を海外に送り出している。なかでも2017年度からは、新たな留学プログラムが開始され、主にタイやベトナムへの派遣留学を担当したことからアジア圏からの大学・機関が多く集まるマレーシアで開催されるAPAIEにはぜひ参加したいと考え、申し込みをさせていただいた。

また、担当している短期留学プログラムの派遣先大学もブース出展をしており、このような機会がなければ直接担当者にお会いすることも難しいため、ブースへ訪問してお互いの情報交換を行うことを第一の目的とした。そして何より国際交流の業務に携わり4年目を迎えるにあたり、これまでの経験を活かし、今後更なる国際交流活動を推進していくため、広く国内外の大学関係者とのネットワークを築くことが最大の目的である。

2.事前準備と大会期間中について

大会会場内のブース展示の様子
Opening Ceremony

私はAPAIEに参加することは初めてであったため、まずはAPAIE参加大学・機関リストから本学の協定校をピックアップしてアポイントを取りつつ、オファーのあった大学・機関とも予定を合わせ、事前のスケジュール調整を進めていった。

大会期間中は、協定校のうち実際に派遣や受入をしている大学の担当者とは現状報告を中心に協力関係の継続を約束し、協定のみを締結している大学とはお互いの大学で今後何ができるのかをあらためて確認した。また、事前のアポイントがなくても直接ブースに伺うと、快く対応いただける大学・機関も多く、派遣候補先として良い感触を得た大学もあった。それらの大学とは、ここからどのように形にして行くかを考えているところである。帰国後は早速、派遣候補先大学の担当者に対して「安全面は確保されているか」、「研修内容は本学の留学プログラムに合致するものか」、「派遣先大学の受け入れ態勢は整っているか」等、新たな派遣先を開拓するべく情報収集を進めている。

大会期間中における活動のもう一つの柱は、Sessionへの参加である。日にちや時間帯によってテーマが異なり、各国のスピーカーによる現状や将来の展望等、その場に行かなければ聞くことのできない内容ばかりであった。
例えば、「シンガポールによる国を挙げての教育政策の実現」をテーマにしたSessionでは、世界に先駆けICT教育の推進していることや多くの時間とお金をかけて人材育成に力を入れてきたこと、そしてこれからの課題と展望については、少子高齢化の進む日本の教育にも通ずる部分もあり、教育機関に携わる者としては将来の日本を見据えて動いていかなければならないと考えさせられた。

熱心にセッションを聴く様子
JAFSA代表も出席したGlobal Dialogue

3.APAIEに参加して得たもの

APAIEに参加させていただいた経験やここで築いた国内外の大学・機関で国際交流を担う方々とのネットワークは私個人、そして私の周囲も含めて、今後の国際交流活動に必ず活かすことができると確信している。

大会1日目の夕刻に開催された情報交換会に参加させていただいた際、他大学の方との会話のなかで本学の取り組みについて関心を持っていただくこともあり、逆に私が驚かされるような取り組みをされている大学もあった。同じ環境にいると当たり前に感じることも一歩外に出てみれば、ひとつひとつが新鮮に感じられることも多く、今回このような情報交換の機会を頂けたのも大変ありがたいと考えている。また、短い時間ではあったが、奨励金給付者同士の交流の機会も設け、同世代のつながりが持てたことも大変有意義に感じている。

盛況な日本合同ブース
ペトロナスツインタワー

大会3日目には、オーストラリアとイギリスの教育機関の方とTHE(Times Higher Education)World University Rankings等を話題に一緒にランチを食べる機会があった。
偶然にもランチを同席した方を通じてAPAIEのPresidentであるProf. Sarah Todd氏ともお会いすることができた。その際、公表されたばかりのTHE日本版のランキング結果について意見を求められたが、自分の考えを上手く述べることができず語学力と知識の低さを痛感した。これまで業務を遂行するにあたり、自分なりに一定の努力はしてきたつもりだったが、実際に現場で十分に対応出来なかったことは大いに反省し、さらなる語学力の向上と大学を取り巻く環境をより注視する意識を持てたことは、私にとってAPAIEで得た貴重な経験となった。

3日間という短い期間ではあったが、参加の目的としていた国内外の大学関係者とのネットワーク構築は、可能な限り達成できたと考えている。最後にこのような奨励費をいただき、APAIEに参加させていただいたJAFSA事務局の皆様をはじめ、関係者の皆様に厚く御礼を申し上げたい。

報告者:亜細亜大学/国際交流センター
国際交流課 奈良田 和哉