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報告:2018年度-APAIE2019マレーシア大会参加- 日本大学 三浦氏

報告:2018年度-APAIE2019マレーシア大会参加- 日本大学 三浦氏

日本大学文理学部は、2020年4月に「留学生・日本語教育センター」を開設し、留学生の受入れ・相談・管理体制等の強化を図る一方で、多様化しグローバル化する時代に対応した教育環境を目指し、日本語教育コースを開講する予定です。そのため、本大会では既存の協定校との関係強化に加え、日本語教育の視点から新規協定校を開拓することを目標に参加しました。

1.キャンパスツアー

マラヤ大学
キャンパスツアー

大会前日のキャンパスツアーではマレーシア随一の最高学府であるマラヤ大学を訪問しました。広大なキャンパスに研究場所でもある植物園等を見学し、Nipah virusに関する研究報告を受けました。ツアーには本大会でのミーティング時間を取れなかった協定校の担当者も参加していたため、図らずも交流の場を持ち、5月のNAFSAでの打ち合わせを組むことができました。これは本大会全体を通して感じたことですが、多くの協定校や関係者が一堂に会するので、レスポンスが非常に早く、大会内で知り合った方から有意義な繋がりを紹介してもらう事もあり、想像よりも遥かに多くの情報を持ち帰ることができました。

2.ミーティング

打ち合わせの様子

初日から最終日までは、提携校とのミーティングに多くの時間を割きました。事前に各協定校との協定書・覚書、過去年数の派遣・受入名簿、確認すべき事項を課内で精査し準備していたため、短時間でありながら多項目に渡って協議することができました。確認すべき内容は協定校によって様々ですが、長く協定を継続している大学とはお互いの要望や改善点なども伝えやすく、担当者同士との信頼関係が大学間の結びつきを強くしていると感じました。

本大会に参加以前は、留学生の受入れ送出しを滞りなく済ますことを重要視し、Emailのみのやりとりに支障を感じておりませんでした。しかし、本大会で実際に対話して初めて、インバランスの解消に予想していたよりも派遣校が積極的であったり、共に課題を共有し解決していこうという姿勢を強く感じたり、協定校との距離をより身近に感じられました。例えば、昨年度の学生交換がスムーズに運営できなかった協定校とは、直接会って検討した結果、些細な誤解が原因だと判明し、想像以上に容易に問題解消に向けて合意を得る事ができました。実際に会う事により、相手の関心度合いも実感できますし、予想よりも大きな成果を持ち帰ることができます。特に新規協定校として臨んだ大学とは、学生交換のみならずダブルディグリーを検討する内容まで話が及んだので、非常に有益なミーティングとなりました。

問題を解消できる一方、新たな課題も浮き彫りになりました。海外の大学は英語で受けられる科目の充実を受入校に求めています。単純に英語による科目数を多くするだけでなく、その内容も高度に専門的な内容を求められます。英語による科目の充実は、日本から海外に学生を送り出す際も重要となります。今回、スペインの大学から訪問を受け、急遽ミーティングを行いましたが、相手校には日本語は元より英語での開講科目が殆どなく、交流の目処がたてられませんでした。このように改めて英語による授業の必要性を認識したことで、今後学内で検討し解消すべく課題を見つけることができたことも本大会における成果となりました。

STUDY in JAPAN ブース

3.ポスターセッション・各国ブース

協定校との打ち合わせの合間を縫ってポスターセッションや各国ブースを見て回りました。文字での説明を最小限に留め、具体的な数値と図式やグラフ等で視覚化したポスターやパンフレットが印象に残っています。視覚だけで理解できるポスターは、印象に残りやすく興味を惹きます。大学紹介リーフレットに取り入れられるのみならず、留学生への周知ポスター等にも活用できると感じました。また、協定校と打ち合わせた際に、担当者が各国から受入れた留学生の顔写真一覧を、タブレットで表示しながら現状を確認し情報を書き込んでおり、後から見返した際に管理しやすいと感じました。

ポスター①
ポスター②

4.APAIE大会 STUDY in JAPAN情報交換会

本大会での収穫は、日本国外の大学との交流に留まりません。APAIE大会 STUDY in JAPAN情報交換会にも参加させていただき、国内他大学の国際交流担当の方々と情報交換をさせていただきました。留学生受入れを拡大する一方で、日本語教育の質の担保が問題となる等、本学と同様の課題について他大学の方と情報交換できたことは大変有意義でした。交流の場に入り、多様な事例に触れ、担当者の方との直接のやりとりが、問題点の洗い出しと解消に向けたスピードの速さを担うと実感しました。大学の国際化を推進している大学ほど、このような国際大会での交流の場を活用している印象を受けました。

5.全体を通して

大会最終日に開催されたGlobal Dialogueでは多様性に焦点が当てられました。開催地であるマレーシアは、様々な民族的、宗教的、文化的背景を有する人々が、寛容の精神から共存・共生しながら発展を進めてきました。日本で議論される多様性と、多民族で構成されたマレーシアの多様性は、異なるものだと感じました。

Global Dialogue

今後、多くの留学生を受け入れた際、多様性とどのように向き合うのか。そしてどのように日本文化を発信していくのか。まずは、本学の国際化を推進する私達職員が、多様性とは何か、国際化とは何かを身をもって体感しなければなりません。
本大会で学んだことを業務に活かし、本学の国際化推進に貢献すべく,引き続き職務に邁進していく所存です。
最後に、多くの交流と振り返り考える機会を提供していただいたJAFSAの皆様に心より深く感謝を申し上げます。

報告者:日本大学/文理学部 教務課
三浦 雅美