報告:第4回オンライン初任者研修 「基礎から学ぶ国際教育交流」(2020年11月11日・12日 @Zoom)

第一部講義の様子

第二部講義の様子
開催データ
第4回オンライン初任者研修「基礎から学ぶ国際教育交流」 |
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日時:2020年11月11日(水)・12日(木) オンライン @Zoom 参加者:20名/18団体会員大学 |
講 師:(講義順、敬称略)
谷口 紀仁
(名古屋大学 国際教育交流センター 教育交流部門 教育発達科学研究科担当 講師)
葉佐 賢太郎
(関西学院大学 国際連携機構事務部 職員)
奈良田 和哉
(亜細亜大学 国際連携部 インターナショナルセンター 職員)
新見 有紀子
(東北大学 高度教養教育・学生支援機構 グローバルラーニングセンター 講師)
研修内容:
第1日目 11月11日(水)
アイスブレーキング(自己紹介など)
第一部 「国際教育交流の基礎概論」 (谷口 紀仁)
第二部 「国際教育交流業務内容の紹介」 (葉佐 賢太郎)
質疑応答、まとめ(講師陣)
第2日目 11月12日(木)
MCM(モーニングコーヒーミングル)
第三部 「派遣留学プログラムの運営」(奈良田 和哉)
第四部 「国際交流アドバイジング」 (新見 有紀子)
質疑応答、まとめ(講師陣)
参加者:20名/18団体会員大学
(参加者所属機関50音順)
亜細亜大学、愛媛大学、大阪学院大学、國學院大學、佐賀大学、 芝浦工業大学、上智大学、昭和女子大学、女子美術大学、 西南女学院大学、中央大学、東京都立大学、文京学院大学 、 文教大学、法政大学、松山大学、明治学院大学、横浜市立大学 |
参加報告①
報告者:浅田 美和 (法政大学)
研修概要:
本研修は初任者を対象に国際教育交流の基礎知識や他大学の取り組みを学ぶプログラムであり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けてオンライン会議形式で2日間に渡り実施された。
講師の講演に加えてすべてのセッションで4〜5名ごとのグループワークが取り入れられ、参加者同士の情報交換も活発に行われた。また、2日目の開始前にはモーニングコーヒーミングルという任意参加の情報交換の場も設けられた。
プログラム詳細:
1.「国際教育交流の基礎概論」
世界の留学生数の推移や日本人の海外留学状況、留学生受入状況などの国際教育の現状と担当者の意識として必要な留学の意義・役割を学んだ。国際教育の統計データを見る際に注意すべき点などをお教えいただき大変勉強になった。グループワークでは、国際教育交流のオンライン化のメリットとデメリットを話し合った。多くの大学で現在直面しているテーマであり、リアルな意見が寄せられた。
2.「国際教育交流業務内容の紹介」
関西学院大学の留学プログラム、危機管理体制、オンライン留学プログラムやオンラインツールなどのコロナ禍における取組事例等をご紹介いただいた。また、自己研鑽や学生や教員への対応で日々心がけていることなどもお伺いでき職員としての意識も学ぶことができた。グループワークでは、海外留学中の学生トラブルのケーススタディに取り組んだ。自身も今後経験するであろう留学中のトラブル対応を実践的に学ぶことができた。
3.「派遣留学プログラムの運営」
亜細亜大学の留学プログラム、広報の工夫、キャリア人材育成、危機管理体制などについてご紹介いただいた。特にキャリア人材育成では、留学前後の研修やキャリアセンターとの連携により留学を将来に結びつけるための取組を工夫されており大変参考になった。グループワークでは、各大学の広報について情報交換を行った。コロナ禍ではオンライン広報がメインとなるがオフラインよりも効果が得られた事例もあり、互いに有益な情報交換の場となった。
4.「国際交流アドバイジング」
受入留学生・派遣留学生との接する上での意識やスキルを学んだ。可視化されている学生の状況だけでなく学生の背景を理解し多面的に捉えることがアドバイジングに有益であると学んだ。グループワークでは、学生対応で問題・課題になっていることとその解決策を話し合った。各大学の課題に対し他大学の取組から解決策のヒントが生まれ、得られるものの多いワークとなった。
まとめ:
本研修は、参加対象が初任者であったため他の研修よりも低いハードルで参加することができた。講師のご講演では、基礎知識や担当者としての心構えを学ぶことができ、国際教育交流担当者としての意識に気づきが得られた。
また本研修では、グループワークを通して各大学の課題や取組事例を知ることができたことが大きな成果であると感じる。特に現在新型コロナウイルス感染症の影響により各大学試行錯誤しながら業務を行っている中で、互いの状況を共感し合える場を持てたことに感謝する。
参加報告②
報告者:田澤 香代 (公立大学法人横浜市立大学 医学教育推進課 医学国際化等担当 )
研修概要:
本研修では、国際交流に関する業務の基礎についての講義を受け、各テーマに基づきグループごとに意見交換をした。また、2日目の講義前に設けられたモーニングコーヒーミングルではリラックスした雰囲気の中、グループ単位で交流することができた。
1. 「国際教育交流の基礎」
留学生の受入・派遣に関する数字の推移、文部科学省の国際教育交流政策の変遷に関する講義では、現在の「大学の国際化」の様相をご教示いただいた。感覚的に感じていることを改めてデータとして提示されたことで、学生の多様化、高等教育の商業化等を認識することができ、本学でのプログラムの目的や対象の設定、運用においてとても有用だと感じた。グループワークでは「大学の国際交流のオンライン化」について、その長所と短所について話し合った。
2. 「国際教育交流業務内容の紹介」
関西学院大学の留学プログラム概要、支援体制や業務内容、危機管理等について紹介された。取組のひとつであるCOILについては、事前に母国語で必要な知識を習得するよう設定され、無理なく継続性の高い構成となっており大変参考になった。また、留学先からの緊急電話を事例に、対応方法を考えてみる時間が与えられたことで、自分が学生派遣における危機管理について現実的に考える良いきっかけとなった。
3. 「派遣留学プログラムの運営」
亜細亜大学の留学プログラムについて構成から危機管理体制、広報、留学前後のフォローについて紹介された。留学=目的とならないような仕組作り、特に留学が「点」ではなく留学経験を帰国後の行動に活かすための「線」となるようなフォローは、学ぶべき取組と感じた。グループワークでは、広報について各大学の取組を述べ合い、コロナ禍における各種広報活動のオンライン化・デジタル化といった発想の転換と工夫を共有した。
4. 「国際交流アドバイジング」
基本と心得、スキルについてご講義いただいた。留学生とは、派遣先ではマイノリティであり「ストレスの高い状況にいる」という大前提を改めて認識する内容だった。窓口業務の経験がまだほとんどない中で留学生対応に苦慮した話を聞くにつけ、その場に自分がいたら戸惑う姿しか想像できずにいたが、前述の認識を心得、しっかりと耳を傾けることで少しでも寄り添えるのではないかと感じた。
グループワークでは、担当業務がみな異なっていたため、様々な事例と工夫が提示され、自分の担当業務以外への理解を深める良い機会となった。
その他全般:
講師ご自身の自己研鑽の話等も伺え、国際業務に携わる者として襟を正す思いがした。研修全体を通し、国際関連業務とは、教員だけではなく事務職であっても教育的視点をもってかなりの範囲まで学生に関わることができる業務だと感じた。
なお、研修が2日に分かれたことで初日に学んだことを整理し、翌日に備える時間ができたため非常に有用だった。また、多くの参加者と接する機会を持てるよう、グループワークの都度メンバーをシャッフルする等の事務局の細やかな配慮に深く感謝する。

第三部講義の様子

第四部講義の様子

第四部「Google Jamboard」を使ったグループワーク